ワイナリーレポート

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「農業のはじめは土づくり」


椀子(マリコ)ヴィンヤードの園田です。
収穫の終わった我々の圃場(ほじょう)は、もうすっかり秋模様です。赤く黄色く染まったブドウの葉を木枯らしが巻き上げていきます。



今年度の収穫時期は極端な日照不足と長雨に、我々スタッフもブドウの木も大いに苦しみました。根が窒息し、疲れ切ったブドウの木のため息が葉の様子からも伺えます。
我々はそんな彼らが厳しい冬をじっと耐えて乗り越えて、また来春元気に芽吹くことができるよう、できる限りのお手伝いをしています。


まずは今年も頑張ってくれてありがとう、という感謝の気持ちを込めてブドウたちに牛糞堆肥をまいてやります。農業の世界ではこの時期にまく肥料のことを『お礼肥(おれいごえ)』と呼びます。圃場にまかれた堆肥はブドウに直接栄養を与えるだけではなく、草生栽培の雑草たちや土壌微生物にも活力を与えます。植物の根が伸長し地中で腐植となることを繰り返し、やがて徐々に土壌を改善していくという気の長い土壌改良も見込んでいます。


そしてサブソイラーという機械を使った土壌改良作業も同時に行っています。
よく農業の始めは『土づくりから』といわれますが、農作物であるワインの味わいは気候や土壌によって大きく変化します。例えば同じシャルドネでも、石灰質の豊富な生産地では、きりっとしたミネラル感が豊富なワインが生まれ、泥灰の豊富な生産地では丸みのある滑らかな味わいのワインが生まれます。


椀子(マリコ)ヴィンヤードの土壌は「れき」を多く含んだ赤土粘土です。マリコの赤ワインには、スパイシーさが感じられますが、もしかするとここの土壌がもつ特性かもしれません。


※穴を掘り土壌の調査を行う


そして粘土質であるため、水持ちが良い、裏を返せば水はけの悪い土壌です。ワイン醸造用ブドウ栽培においては、より濃縮した果実が求められるため、なるべく土壌中に雨水を滞水させず、自然の傾斜を利用したり、側溝を掘ったり、サブソイラーで心土破砕、暗渠(あんきょ)を掘ったりと水はけ改善のための圃場管理に苦心しています。


ブドウの眠っているこの時期にしかできないこれらの、『農業のはじめ』となる土づくりをどれだけ進めることができるか。
すぐには結果の見えてこないこれらの作業ですが、皆さまに更に感動して頂けるワイン造りに必ず5年後10年後に生きてくると信じて畑と向き合っています。

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