ワイナリーレポート

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サム・ハロップMW、大橋健一MW来場


チーフ・ワインメーカーの安蔵です。
9月13日(水)に、サム・ハロップMW(※)と、大橋健一MWがシャトー・メルシャンに来場されました。サム・ハロップMWは、マスター・オブ・ワインとしての活躍に加えて、ニュージーランドやスペインで、ご自分のブランドでワイン造りをされています。ワインを利き酒していただき、コメントをいただきました。そのなかで、印象に残ったコメントを紹介します。
※MW:「マスター・オブ・ワイン」


「日本のあわ メトード・トラディショネル 2013」(今年新発売した、シャルドネ52%、甲州48%で、瓶内二次発酵のスパークリング・ワイン)
「瓶内発酵のあとデゴルジュマンまでどのくらいの期間をおいたか?」との質問に、「2年11ヶ月、十分にシュール・リーの効果が出てからデゴルジュマンを行った」と答え、「エレガントで、とても良い味わいに仕上がっている」とのコメントをいただきました。


「シャトー・メルシャン 甲州グリ・ド・グリ 2013」
少し熟成した2013年をお出しし、「これまで、辛口の甲州ワインはなるべく渋み成分を出さないような仕込みをしていたが、逆の発想で甲州がもつ要素をなるべくとりこむワインとして、ピンク色の果皮のブドウ2002年ヴィンテージからつくっている。最初にリリースしたころは、こうしたオレンジ色のワインが市場になかったので、批判的な意見も多かった」と説明し、「ジョージアには伝統的にこういう色合いのワインがあるが、15年前からつくっているのは、時期としては早いと思う。今はオレンジ・ワインというカテゴリーができており、果皮がピンク色の甲州からこういうワインを造るのはストーリー性がある。個性的でとても良いワイン」とコメントをもらいました。


「シャトー・メルシャン アンサンブル ももいろ 2015」
「マリコ・ヴィンヤード ロゼ 2016」

「辛口のロゼ・ワインとして、完成度が高い。自分もニュージーランドで少量こだわったロゼ・ワインを造っている。ロゼ・ワインというカテゴリーは、白ワインや赤ワインとおなじように、高級なワインとしてのポテンシャルがあるので、日本でももっと辛口ロゼ・ワインが注目されるとよい」とのコメント。


「シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー シグナチャー ポン・デ・ザール 2013」
「1998年からシャトー・マルゴー総支配人のポール・ポンタリエ氏にコンサルタントを受けており、2015年(最後のシャトー・メルシャン訪問)にアサンブラージュしたもの。ポンタリエ氏からは、技術的な面だけでなく、ワイン造り・ブドウ栽培に関してフィロソフィーを伝えてもらった」とこのワインの背景を説明し、「このワインはエレガントでとても良く仕上がっている。ポンタリエ氏との取り組みはとても良い影響をメルシャンに与えていると思う」と、この日一番の評価をいただきました。


そのほか、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、シラーなど、技術的な側面を含めて有意義な意見交換ができ、参考になることがたくさんありました。大橋MWからも意見をいただき、今年の仕込みに活かそうと思います。


テイスティングの様子


収獲の時期でしたので、テイスティングのあとは、山梨市の上野園の甲州の畑をご案内しました。上野園は、2003年に、甲州ブドウに柑橘系の香りのポテンシャルがあることが発見されるきっかけとなった畑です。標高400メートル、笛吹川に近い高台に位置します。表面は粘土ですが、その下は砂利が多く、水はけのよい土質です。この日はちょうど収穫の日でした。


甲州は果皮にポリフェノール成分が多いブドウで、ピンク色の果皮ですが、ハロップMW、大橋MWとも、収穫されたブドウが通常の甲州ブドウより色合いが薄いのを見て、「これは収穫時期が早いから色が薄いのでしょうか?」とコメント。「柑橘系の香りはポリフェノールに弱いために、畑では除葉をせずにブドウの房に日光がなるべく当たらないようにしています(日光が当たると、果皮のポリフェノールが増える)。そのため、通常の甲州ブドウより果皮のピンク色が淡く、緑がかった粒も含まれます。糖分は葉の光合成でできるので、色の濃い甲州と糖度は変わりません」と説明。ブドウ棚の端にある日光が良く当たる房は色合いが濃く、色の濃い房と薄い房を食べ比べて、納得されていました。


ちょうど、上野園の収穫が終わったので、収穫をしたワイナリーのメンバーと集合写真を撮りました。


収穫直後の上野園、収穫お疲れさまでした!


世界のワインに精通した二人のMWから、貴重なコメントをいただくことができ、貴重な機会となりました。仕込みに活かし、より良いワイン造りにつなげたいと思います。


左から神藤チーフ・ブランド・マネージャー、安蔵チーフ・ワインメーカー、サム・ハロップMW、大橋健一MW

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