ワイナリーレポート

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ジェイミー・グッド氏来日


ワイン技術研究所の清道です。


10月15,16日に、ジェイミー・グッド氏と、大橋健一MW(※)がシャトー・メルシャンへ来場されました。


ジェイミー・グッド氏は、日本でも「新しいワインの科学」の著者として知られる、イギリスのワインジャーナリストです。
植物生理学の博士号を持っており、醸造・栽培を科学的な視点で捉え、世界に向けて発信しています。世界中のワイン産地に足を運んでおり、その日数は年間200日を超えるとのことです。
シャトー・メルシャンとワイン技術研究所では、お客様に満足して頂けるワインを造るため一緒になってブドウ栽培・ワイン造りに取り組んでいます。
私がジェイミー・グッド氏の著書と出会ったのは5年前の入社時になります。以来、ワインについての知識を高めるため何度も読み返しました。
ジェイミー・グッド氏の来日を知り、是非お会いし、直接お話しをお聞きしたいと思い、同席させていただきました。
今回はお二人とワインのきき酒とシャトー・メルシャンのブドウ産地(勝沼・上田・塩尻)を訪問しました。お二人からワインについてのコメントを頂きましたので、印象に残ったコメントと訪問した産地で頂いたコメントをご紹介します。


※MW:マスター・オブ・ワイン
マスター・オブ・ワインは英国に拠点を置くマスター・オブ・ワイン協会が認定する、ワイン業界においてもっとも名声の高いとされる資格。既に60年以上の歴史を誇り、その長い歴史を通して現在世界中にたった355名(2017年現在)のマスター・オブ・ワインが存在するのみ。ワイン生産者、ワイン流通関係者、ソムリエ、ワイン・ジャーナリスト、ワイン・ライター等、多種多様な職種から構成され、マスター・オブ・ワインになることは世界中における最高のワイン・コミュニティーの中に帰属することを意味する


テイスティングしたワイン


シャトー・メルシャン 甲州きいろ香 2016
「はっきりとした柑橘の香りが感じられ、トロピカルなニュアンスも併せ持っている。フレッシュで、飲み心地が良いワイン」とのコメントを頂き、「甲州ブドウに柑橘・グレープフルーツの香りのポテンシャルがあることを見出し、この香りに着目したブドウ栽培とワイン造りを施した」と説明をしました。


シャトー・メルシャン 甲州グリ・ド・グリ 2014
「甲州ブドウのピンク色の果皮に着目して造られたオレンジワイン。近年オレンジワインというジャンルが少しずつ浸透してきているが、シャトー・メルシャンでは、オレンジワインという言葉が一般的ではなかった2002年から造っている」と紹介し、「金色で、リンゴのような香りと樽のスパイシーさが感じられる。良くできているが、樽の香りが果実由来の香りと比較して少し強い印象がある。樽以外の方法で醸造してみるのもいいかもしれない」との、コメントを頂きました。


シャトー・メルシャン 北信シャルドネ RGC 千曲川左岸収穫 2016
(長野県北信地方を流れる千曲川の左岸(長野市豊野など)で栽培・収穫されたシャルドネから造られた白ワイン)
「フレッシュで、柑橘や白桃の香りを持つワイン。樽のバランスも良く、非常に完成度が高い。繊細なワインに仕上がっている」とコメントを頂きました。


シャトー・メルシャン 城の平カベルネ・ソーヴィニヨン 2012
(山梨県甲州市勝沼町に位置する自社管理畑"城の平ヴィンヤード"で栽培されたカベルネ・ソーヴィニヨンで醸造された赤ワイン)
「クールクライメットなカベルネ・ソーヴィニヨンで、非常に完成度が高い。カシスのような香りを放ち、樽の香りがバランス良く合っている。エレガントでとても良い味わいに仕上がっている」とのコメントを頂きました。


その他、ソーヴィニヨン・ブラン、シラー、メルロー、ロゼワインのテイスティングコメントも頂き、大橋健一MWを交えて技術的な意見交換ができました。参考になるコメントが多く、シャトー・メルシャンでは今後のワインメイキングに活かしていきたいと考えています。


テイスティング・意見交換の様子


「メルシャンのルーツは?」とのご質問を頂き、ビジターセンターの横にあるワイン資料館で、メルシャンは1877年(明治10年)に創立された、日本で最初の民間ワイン会社「大日本山梨葡萄酒会社」をルーツに持つことや、それからのメルシャンの歴史について紹介しました。当時ワイン造りに使用していた設備を見学し大変興味をもっていました。また、初めて見る甲州ブドウにも非常に興味をもたれていました。


ワイン資料館にて


甲州ブドウとジェイミー・グッド氏


城の平ヴィンヤード(勝沼)、塩尻、椀子(マリコ)ヴィンヤード(上田)へ訪問し、現地で栽培スタッフから産地・ヴィンヤードの紹介を受け、世界中を訪問しているジェイミー・グッド氏から意見を頂きました。産地それぞれの土壌や標高、気候の違いに関する質問も数多く頂きました。


城の平ヴィンヤードにて、ヴィンヤードの説明中


ワインに精通したジェイミー・グッド氏と大橋健一MWお二人から多くのコメントを頂くことができ、非常に貴重な経験となりました。今後のシャトー・メルシャンでのワイン造りとワイン技術研究所での日本のブドウ・ワインに関する研究に活かしていきたいと考えています。


左から清道(研究員)、大橋健一MW、ジェイミー・グッド氏、安蔵チーフ・ワインメーカー


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