ワイナリーレポート

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『城の平のカベルネ・ソーヴィニヨン収穫しました!』


勝沼栽培課、園田です。
秋雨の度に気温が下がり、我々の圃場を囲む山々も次第に紅く染まってきました。先日、城の平ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニヨンも無事に適熟を迎えたため収穫を行いました。今年はこれで自社管理畑のすべての収穫が終わったことになります。


城の平ヴィンヤードでは1984年に現在の垣根式栽培を始めましたが、その時に植えられたのがこのカベルネ・ソーヴィニヨンという品種です。以来30数年に亘り、城の平ヴィンヤードの歴史はこの品種によって語られてきました。この品種から作られる『シャトー・メルシャン 城の平カベルネ・ソーヴィニヨン』はこれまでにも国内外で数多くの賞を受賞してきたシャトー・メルシャンを代表するワインのひとつであり、栽培にもやはり力が入ります。


改植や補植で少しずつ世代交代はしていますが、畑の中には1984年開園当初に植えられた樹も残っており、まだ健全に真っ黒な実を着けています。太く節くれだった幹に歴史を感じます。



...さて、いよいよ収穫です。実は、この収穫のタイミングを決定するのが我々栽培課が行う最後の、そしてとても大事な決断です。一年間心血を注いできた栽培管理はこの収穫の時に初めて我々の成果となるのです。収穫のタイミングによって出来上がるワインのスタイルは大きく変わります。糖度の上昇や酸の減少、アントシアニンなどを含むフェノールの成熟...これらはお互いに相関して動いているようで案外そうとも限りません。特に今年は両者に時期のズレが目立ちました。サンプリングの数値を穴が開くほど見て、圃場を歩き回りながらブドウの表情を確認しつつ果粒を食べ続けます。病気のリスク、それに何より我々が判断に苦しむ天気予報とを総合的に判断して最終的な収穫日を決定します。


今年のカベルネ・ソーヴィニヨンの収穫日は例年に比べて若干早いものとなりました。週間天気予報では雨が降り続き、近日中に大きな台風が上陸しそうなことが確実視されていたことから、少しだけ収穫予定日を繰り上げたためです。雨が長く降ると、糖の凝縮した小さな粒は急激に水で膨らみ果皮が裂けてしまい(裂果)ます。さらにそこから灰色カビ病が発生すると著しく品質が低下してしまうのです。


さて、待ちに待った収穫当日、この日はとても気持ちの良い、さわやかな秋晴れとなりました。翌日から大雨との予報のなか、絶妙なタイミングで収穫できたと思っています。



この時期になると忙しかった仕込み現場も少しだけ落ち着いてきて、収穫には多くの社員が駆けつけてくれました。幸い病気の房もほとんどないために、収穫はとてもスムーズに進みました。ただ、この品種からつくられる商品は我々のフラッグシップでもあります。ワイナリーに集荷された後、更に少しでも未熟な果実や病害の影響を受けた果粒などを取り除き、良いワインになってほしいという願いを込めながら選別作業をおこないました。



夜になって一人また一人と各々の仕事を終えた社員が集まってきました。
冷たい夜風を感じるまで、皆で一年間の苦労を穏やかに話しながら収穫されたブドウを一房ずつ手に持ち、今年の仕込みが終わろうとしています。

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