ワイナリーレポート

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樽発酵後の白ワインの管理について


こんにちは。シャトー・メルシャン、ワインメーカーの安ヶ平良人(やすがひらよしんど)です。2017年度の仕込みは終了しましたが、製造現場は仕込みの後片付けや来年に向けてのワインのブレンドと忙しい日々は続いています。


今回は、皆さんに私の仕事について紹介したいと思います。
私の主な仕事は発酵が終わったワインを樽に詰めて、育成・貯酒管理をすることです。シャトー・メルシャンでは赤ワインは約12ヶ月から長いもので約24ヶ月、白ワインは約6ヶ月の間、樽の中で育成・貯酒されます。この期間中の管理がその後のワインの品質に大きく関わってくるのです。その管理を1年間通して行っています。
今回はその中で白ワインの管理について紹介したいと思います。


このようなL字型の棒を使っていますが、何に使うかわかりますか?



これは樽の中のワインを撹拌する「バトナージュ」という作業をするための道具です。
樽発酵をした白ワインは樽の底面に酵母が沈殿しています。これを「滓(おり)」といいます。この滓はワインを酸化から守り、また味わいに寄与する成分を多く含むため、滓と接触させることによりこの成分がワインに移り、味わいに厚みや膨らみを持たせることができます。



撹拌すると、樽の底に沈殿している滓が舞うのでワインは白く濁ります。この時期のワインには発酵で生じた炭酸ガスが残っており、撹拌した時にプチプチと泡のはじける、心地の良い音が聞こえます。


  


ちなみに2017年度は200樽以上の樽発酵をした白ワインがあり、これら全ての白ワインに対して1週間に1度の頻度でバトナージュを行います。この作業だけでも1日作業になります。これがまた大変なのです。


次に「ウイヤージュ」という作業について説明します。
ワインは樽の中で満量の状態にしています。しかし、樽は木で出来ていてスポンジのような構造をしているため、中のワインは徐々に蒸発していきます。
そうすると樽の中で蒸発した分の空寸が出来てしまいます。この空寸をそのままにしておくとワイン自体が酸素に触れるために酸化するリスクや、ワインの表面に汚染微生物が増殖してしまい、接着剤や酢のようなワインの香りに悪影響を及ぼす欠点臭の発生原因となります。
この空寸を埋めるために、同じワインで目注ぐ必要があります。
この作業を「ウイヤージュ」と言います。この作業も1~2週間に1度の割合で行っています。この手間がワインを悪くしないために必須なのです。


それぞれ樽の中の環境は異なりますから、ワインが悪くなっていないかを、香りや味わい、色を見て判断してもいます。すべてのワインのそのような「声」を聴くことが大切なのです。
品質の良いワインをお客様に届けるために、今日もまたワインの声に耳を傾けて、向き合っていきたいと思います。

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